補聴器と歩んだ30年【その1】

ホームページをご覧いただき、ありがとうございます。

このたび、ホームページを全面リニューアルしました。

このコラムでは、補聴器に関する情報だけでなく、「聞こえ」に関する話題や、補聴器選びで後悔しないためのポイント、難聴の方やそのご家族に役立つ情報をお届けしていきたいと思います。

現在も補聴器ユーザーとして生活しています。

私自身も、挨拶文でご紹介しているとおり補聴器ユーザーです。

今年で50歳を迎えますが、補聴器を装用し始めたのは20代。気が付けば、30年近く補聴器と付き合ってきています。

30年前のアナログ補聴器

30年前は、まだ補聴器もアナログの時代でした。現在のようにコンピューターへ接続して細かな調整を行うことはできず、本体に付いている小さなつまみを精密ドライバーで回して調整していました。まさに100%アナログの世界です。

ハウリングの悩み

当時、補聴器の最大の悩みは「ハウリング」でした。

今の補聴器では考えられないほど頻繁に「ピー、ピー」と音が鳴り、壁や人、物が耳に近づくだけでもハウリングを起こしていたのです。

周囲の人は「どこから音が鳴っているのだろう」と辺りを見回し、その音の原因が自分の補聴器だと分かった瞬間、何気に恥ずかしい思いに感じたことを今でも鮮明に覚えています。

そんなこともあり、最初に補聴器を購入したものの、結局は装用をやめてしまいました。

当時は今ほど聴力も低下しておらず、不便を感じながらも何とか生活できていたのもありました。

しかし20代後半になると、聞き間違いが多発し、仕事でも日常生活でも誤解を招く場面が目立つようになり、岡山大学医学部耳鼻咽喉科を受診し、再度詳しい検査を受けました。

その結果、「聴力は元には戻らず、これからは補聴器と付き合っていくしかありません」と告げられたのです。

当時はなかなかにしてショックでした。

それでも諦めきれず、少しでも耳の神経が回復しないかという思いから、ステロイドを頸動脈へ注射し、薬を内耳へ届ける治療も受けました。

治療中は心臓の鼓動が頭の中で「ドクン、ドクン」と響いて聞こえ、事前に説明は受けていましたが、実際に体験すると、とても不思議な感覚だったことを覚えています。

とはいえ、期待したほどの効果は得られず、人生で二度目となる補聴器を装用する運びとなるのです。

現在の補聴器

一度目は耳穴型でしたが、二度目は耳掛け型です。

理由は、ハウリング対策です。耳掛け式の方がハウリングにまだ強いという当時の補聴器専門店からのアドバイスがあったためです。

そして何よりも当時の私は、高価な補聴器を簡単に購入できる経済状況ではありませんでした。補聴器を購入するための費用を工面することにも、本当に苦労したことを覚えています。

続く