聞こえにくさがあっても働き続けるために 補聴器と職場の支援を考える
会議の話についていけない。口頭の指示を聞き返しにくい。補聴器を使っていても、仕事の場面で困ることはあります。難聴者の就労支援では、補聴器の調整だけでなく、職場での伝え方も大切です。あわせて、相談できる支援を知っておくと安心です。
2026年10月3日、「難聴者就労支援 講演会・相談会」が開催されました。主催は岡山県難聴者協会です。岡山障害者職業センターの羽原所長が、就労支援の仕組みを説明されました。内容は、職業相談・職業評価、職業準備支援、ジョブコーチ支援などです。今回は、その内容をもとに、米子周辺で働く方や職場の皆さんにも役立つ情報をまとめます。

難聴者の就労支援で本人と職場を支える仕組み
講演では、職業評価を通じて、その人に合った支援を考える取り組みが紹介されました。まず、得意なことや苦手なこと、働くうえでの課題を整理します。聞こえにくさだけで、仕事の可能性を決めないことが大切です。そのために、本人の力と、力を発揮しやすい条件を確かめていきます。
また、ジョブコーチが職場を訪問し、本人と職場の双方を支える仕組みも紹介されました。例えば、作業手順を分かりやすくし、指示や連絡の方法を整えます。困ったときの相談相手を決めることも支援に含まれます。本人が頑張ることに加えて、周囲がどう支えられるかを一緒に考えられる制度です。
伝え方を変えると仕事がしやすくなることも
ここからは、職場での一般的な工夫を紹介します。講演で紹介された職場支援と、JEEDの聴覚障害者雇用の資料を踏まえたものです。補聴器をつけても、聞き取りにくさが残る場面はあります。例えば、複数人が同時に話す場面や、周囲が騒がしい場所です。聞こえ方や使いやすい方法は、一人ひとり異なります。
- 話し始める前に注意を向けてもらい、顔が見える位置で話す
- 会議では一人ずつ発言し、話題や決まったことを文字でも共有する
- 日時・数量・作業変更など、大切な指示はメモやチャットにも残す
- 困ったときの相談相手と、緊急時の連絡方法をあらかじめ決める
まず、ご本人に「どのように伝えると分かりやすいですか」と確認します。それを出発点に、伝え方を一緒に考えてみてください。伝えたつもりで終わらせず、内容が共有できたかを確かめることも役立ちます。
難聴者の就労支援の相談は、困る場面を具体的に
「仕事で聞こえにくい」という悩みを、少し具体的にしてみてください。対面なら話せるけれど電話が難しいのか、会議で話し手が変わると分からなくなるのか。どこで、何に困っているかが分かると、補聴器の調整で確かめることと、職場に相談したいことを整理しやすくなります。
難聴者の就労支援については、地域障害者職業センターやハローワークなどに相談できます。鳥取障害者職業センターの案内では、相談に障害者手帳の有無は問わず、利用は無料です。また、米子圏域では、お近くのハローワークでの相談も可能とされています。同センターのカウンセラーが出向く相談です。希望する方は、ハローワークで日程調整について相談してみてください。個別の支援内容や利用条件は、窓口でご確認ください。
聞こえと働く環境を一緒に考える
補聴器の店YONAGOでは、補聴器の調整や使い方のご相談をお受けしています。その際は、日常の具体的な場面を伺います。「会議のこの場面が難しい」「電話で聞き違いがある」など、気になっていることをお聞かせください。
聞こえを整えること、伝え方を工夫すること、必要な支援につながること。その組み合わせが、安心して働き続けるための助けになります。
補聴器の店YONAGO 代表 中西 充
参考情報とお問い合わせ
本記事は、2026年10月3日の講演および配布資料をもとにしています。そこに、職場での一般的な工夫と地域の相談先を補足しました。制度情報は2026年10月4日時点の公式案内を確認しています。
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