最近、親との会話が減っていませんか?「聞こえ」から考える家族のつながり

「以前はよく話していたのに、最近は家族が集まっても黙っていることが増えた」

「テレビの音が大きいと伝えると、気まずい雰囲気になってしまう」

そんな変化を感じているご家族もいらっしゃるのではないでしょうか。

何気ない会話は、家族のつながりを感じる大切な時間です。ご家族とゆっくり顔を合わせて、「聞こえ」にも目を向けてみませんか。

会話が減った背景に、聞こえにくさがあるかもしれません

年齢とともに聞こえがゆっくり変化すると、ご本人はその変化に気づきにくいことがあります。テレビの音量や聞き返しなど、周囲の人が先に気づく場合もあります。[1]

また、にぎやかな場所で話を追いにくかったり、家族や友人との会話を楽しみにくくなったりすることもあります。[2]

「何度も聞き返して悪いかな」「うまく返事ができるだろうか」。そんな気持ちを抱く方もいるかもしれません。

もちろん、会話が減った理由は聞こえだけとは限りません。すぐに原因を決めつけず、「最近、話が聞き取りにくい場面はある?」と、ご本人の感じ方を聞いてみてください。

まずは、ご本人が困っている場面を一緒に探す

「テレビの音が大きいよ」「補聴器をつけたら?」と繰り返すと、心配する気持ちがうまく伝わらないこともあります。

相談の入り口として、こんな声かけはいかがでしょうか。

  • 「テレビのせりふ、聞き取りにくいところはある?」
  • 「家族が一度に話すと分かりにくいかな。一人ずつ話そうか」
  • 「これからも一緒におしゃべりを楽しみたいから、聞こえを確かめてみない?」

大切なのは、ご本人が何を不便に感じ、どんな時間を楽しみたいと思っているかです。「孫の話を聞きたい」「食事中の会話を楽しみたい」など、具体的な希望が見えてくると、相談する目的も分かりやすくなります。

今日から家族でできる、会話の5つの工夫

1.顔が見える位置から話しかける

近くで顔を合わせ、こちらに気づいてから話し始めましょう。表情や口元が見えると、話の内容をつかむ助けになります。

2.テレビなどの音を少し下げる

大切な話をするときは、テレビの音量を下げるなど、周りの音を減らしてみましょう。外食でも、できるだけ静かな席を選ぶ工夫ができます。

3.大声で叫ばず、ゆっくり、はっきり話す

相手が聞き取りやすい声の大きさと速さを確かめましょう。聞こえ方には個人差があるため、「このくらいの話し方はどう?」と尋ねてみてください。

顔を見せること、周囲の音を減らすこと、叫ばずにはっきり話すことは、米国国立聴覚・伝達障害研究所の案内でも紹介されています。[2]

4.短く区切り、伝わりにくければ言い換える

長い説明は一度に詰め込まず、一つずつ確認してみましょう。例えば「明日は買い物のあと病院に寄って……」ではなく、まず「明日は10時に出かけよう」と伝える、といった方法です。

5.日時や数字は、文字でも残す

待ち合わせの時間や場所などは、メモやスマートフォンの文字も活用してみてください。ご本人が読みやすい大きさで、あとから確認できる形にすると安心です。

聞こえが気になったら、まず耳鼻咽喉科へ

聞こえにくさの原因には、加齢以外のものもあります。耳鼻咽喉科で原因や聞こえの状態を確認し、必要な治療や補聴器について相談しましょう。[3]

急に聞こえが悪くなったときは、様子を見続けず、速やかに耳鼻咽喉科を受診してください。急な難聴には、早い診断・治療が重要なものがあります。[4]

受診や相談の前には、「いつ頃から」「どんな場所で」「誰との会話で」困るのかを、ご本人と一緒にメモしておくと伝えやすくなります。

補聴器を考えるときも、目標は日常の会話に

補聴器の相談では、「どんな場面を聞き取りやすくしたいか」を教えてください。食卓での会話、テレビ、趣味の集まりなど、暮らしの中に目標を置くことが大切です。

補聴器の店YONAGOでは、お困りの場面を伺い、試聴や調整を通じて、ご自宅などでの聞こえも確認していただいています。補聴器を使い始めてからも、気になる点を伝えながら調整を重ねていきます。

私自身、約30年にわたり補聴器とともに生活してきました。その経験を踏まえ、ご本人の言葉にしづらい不安にも、ご家族の「どう支えたらよいのだろう」という思いにも、丁寧に向き合いたいと考えています。

ご家族だけでのご相談も受け付けています

「本人にどう切り出せばよいか分からない」「まず家族だけで話を聞いてみたい」。そんな段階からご相談いただけます。

米子市の認定補聴器専門店「補聴器の店YONAGO」では、ご本人・ご家族からの聞こえのご相談を無料で受け付けています。受診や補聴器相談の進め方も、一緒に整理します。

これからも、一緒に会話を楽しむために。まずは「どんなときに話しにくい?」と尋ねるところから始めてみませんか。

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補聴器の店YONAGO
〒683-0823 鳥取県米子市加茂町2丁目113 加茂町ビル103
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営業時間:平日9:30〜17:00(土曜・日曜・祝日休業)

執筆:補聴器の店YONAGO 代表 中西 充

参考資料

本記事は、『日本聴力障害新聞』2026年9月1日号・第921号、6面「敬老の日に寄せて」をきっかけに、ご家族向けの内容として執筆しました。手話を使う方を含め、聞こえ方や使いやすいコミュニケーション方法は一人ひとり異なります。

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