防災放送が聞き取れないときに。聞こえにくい方と家族のための災害への備え

「外で防災放送が流れているけれど、何を言っているのか分からない」

「避難先で呼びかけに気づかなかったら、どうしよう」

聞こえにくさがある方やご家族にとって、災害時に必要な情報を受け取れるかどうかは、気になることの一つではないでしょうか。

『日本聴力障害新聞』で、防災気象情報を手話と字幕で伝える解説動画の記事を読みました。災害への備えには、水や食料とともに、自分に合った方法で情報を受け取る準備も必要だと感じます。

今回は、米子・鳥取で暮らす聞こえにくい方とご家族に向けて、普段からできる備えをご紹介します。

放送を「文字でも確かめる」準備を

補聴器を使っていても、放送の言葉をいつもはっきり聞き取れるとは限りません。音声に加えて、文字や地図でも確認できる手段を用意しておきましょう。

米子市の防災放送は、ホームページでも確認できます

米子市は、「防災行政無線の放送内容」のページに放送文を掲載しています。スマートフォンのお気に入りに入れておくと、必要なときに開きやすくなります。

ただし、地区公民館の放送は掲載対象外で、システム連携による時間差もあります。放送日時や更新状況を確かめ、ほかの防災情報も併せて確認してください。

鳥取県のアプリ・メールを、使いやすい方法で

鳥取県の防災アプリ「あんしんトリピーなび」は、県内の安全・安心に関する情報をプッシュ通知で知らせます。メールで受け取りたい方には、「あんしんトリピーメール」もあります。

登録したら、ご本人と一緒に画面を開いてみましょう。文字の大きさや通知の設定を確認し、どこに情報が届くのかを普段から知っておくと役立ちます。

なお、2026年5月の防災気象情報の変更に伴い、配信文に一部旧名称が表示されるなどの注意点があります。詳しくは鳥取県の案内を確認し、通知の見出しだけで判断せず、本文やリンク先の最新情報を確かめてください。

避難情報や大雨の危険度を、画面で確認する

「鳥取県防災Web」では、県内の避難情報や避難所情報などを確認できます。大雨の際には、危険度を地図で示す気象庁の「キキクル」も活用できます。使い方は気象庁の解説で確認できます。

停電や通信の混雑などで、いつもの方法が使えないことも考えられます。スマートフォンと周囲の人からの連絡など、複数の方法を組み合わせておきましょう。

補聴器の電池・充電も、持ち出し品に

非常用の持ち出し品を見直すときは、普段使っている補聴器に必要なものも確かめてみてください。電池式と充電式では、準備するものが異なります。

電池式の補聴器をお使いの方

お使いの機種に合う予備電池を、種類が分かるように包装のまま用意しておきましょう。使用期限や残りの数を定期的に確認し、古くなったものは入れ替えます。必要な数は、普段の電池交換の間隔を目安に購入店で相談できます。

充電式の補聴器をお使いの方

専用の充電器、ケーブル、必要な電源アダプターを確認しましょう。停電時に使える電源や持ち運び方法は、お使いの補聴器・充電器の取扱説明書や購入店で確かめてください。

充電ケースだけで使えるかどうかも機種によって異なります。モバイルバッテリーを使う場合は、メーカーが認める電源・接続条件を確認し、普段のうちに使用方法を確かめておきましょう。

このほか、次のものを一緒に用意しておくと、避難先でも説明や管理がしやすくなります。

  • 補聴器を保管するケースと、普段使っているお手入れ用品
  • 機種名や電池の種類、購入店の連絡先を書いた紙
  • 筆談用のメモ帳と、使えることを確認したペン

予備用品や紙のメモは、ぬれにくい袋などにまとめておきます。災害時は身の安全が最優先です。充電や荷物の準備のために避難を遅らせたり、補聴器を取りに危険な場所へ戻ったりしないでください。

避難先で見せる「ひとことメモ」を用意する

聞こえにくさは、外見だけでは周囲に伝わらないことがあります。避難先の受付などで、自分が困りやすい場面と、助かる伝え方を知らせておきましょう。

例えば、次のようなメモを財布や持ち出し袋に入れておく方法があります。

【そのまま使えるメモ例】
耳が聞こえにくいです。
放送や呼びかけに気づかないことがあります。
大切な案内は、文字で伝えてください。

「顔を見てゆっくり話してください」「手話でのやり取りを希望します」など、ご自身に合う内容に書き換えてください。聞こえ方や使いやすい伝え方は、一人ひとり異なります。

食事の配布や場所の変更など、大切なお知らせをどこで確認できるかも、避難先の担当者に尋ねておきましょう。スマートフォンの文字入力に加えて紙とペンもあると、電池が切れたときにも使えます。

家族で、連絡方法と避難先を決めておく

「いざというときは電話する」と決めていても、電話に気づかなかったり、通話しにくかったりするかもしれません。普段から、次のことを話し合ってみてください。

  • 電話以外に、使い慣れたメールやメッセージでも連絡する
  • 連絡がつかない場合の行き先や、安否の確認方法を決めておく
  • 離れて暮らす家族だけでなく、近くで相談できる人も確認する
  • 連絡先や避難先を紙にも書き、持ち出せる場所に置く

避難先は、災害の種類や住んでいる場所によって考える必要があります。米子市の最新のハザードマップで自宅周辺の危険を確認し、安全な避難先や経路、避難を始めるタイミングを事前に相談しておきましょう。

米子市の「よなご わたしの避難ノート」は、災害のリスクを知り、持ち出し品や自分の避難行動を書き込める冊子です。家族で備えを話し合うときにも活用できます。

普段の点検から、災害への備えを

防災用品を一度にそろえるのは大変でも、「放送内容のページを保存する」「予備電池を確認する」「ひとことメモを書く」なら、今日から始められます。

ご家族は、ご本人がどの方法なら情報を受け取りやすいかを、一緒に確かめてみてください。使い慣れた方法を準備しておくことが、いざというときの行動を支えます。

補聴器の店YONAGOでは、普段の補聴器のご相談や点検の際に、電池・充電器の扱いについてもご相談いただけます。「自分の補聴器には何を用意しておけばよいだろう」と迷ったら、お使いの補聴器や充電器についてお聞かせください。

補聴器の電池・充電器について相談する

認定補聴器専門店 補聴器の店YONAGO
〒683-0823 鳥取県米子市加茂町2丁目113 加茂町ビル103
電話:0859-30-3399
営業時間:平日9:30〜17:00(土曜・日曜・祝日休業)

執筆:補聴器の店YONAGO 代表 中西 充

参考資料

執筆のきっかけ:『日本聴力障害新聞』2026年8月1日号・第920号、10面「防災気象情報を手話動画で解説 気象庁 字幕付きで公開」。本記事は同紙の記事を踏まえ、地域の公式情報を確認して独自に構成しています。

防災情報の参照先は本文中の米子市・鳥取県・気象庁の公式ページです。リンク先の情報は2026年9月20日に確認しました。災害時は、自治体や気象庁などが発表する最新情報を確認してください。

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